手術症例

当院では、整形外科としての専門性の高い全身麻酔による手術(骨折、人工関節、内視鏡下椎間板摘出術)など、年間80~100件の手術を施行しています。

1)変形性膝関節症

膝関節の軟骨が減少するために発生する疾患で、膝関節の痛みや動きの悪さが症状です。

多くはO脚の変形に伴うものが多く、鎮痛剤の使用や膝関節の装具やヒアルロン酸関節注射など行っても痛みが持続する場合に手術となります。
手術方法は年齢、活動性、関節の傷み具合などで変わります。

人工膝関節置換術

膝関節の広範囲が傷んでいる方が対象となります。

膝関節の傷んでいる軟骨を切除して、金属の人工関節に変えます。金属と金属の間はポリエチレンの板がありこれらにより、膝関節を再建します。手術後は早期のリハビリテーションを行い、入院期間は1~2カ月です。

当院では術後の動きをできるだけ改善するために靱帯のバランスに注意しながら手術を行っており、また、問題となる出血に対しては手術前に自分の血液を貯めておく、自己血貯血や、手術中~術後には傷口からの出血を回収し洗浄、輸血する方法を用いて極力他人の血液を用いない方法で、術後肝炎などの合併症を避けるように配慮しています。

人工関節はよい手術法ですが長期的には機械の緩みの可能性があり若い人や、重労働を行う方にはむきません。

高位脛骨骨切り術

年齢の若い方、活動性の高い方で関節の一部だけ悪い方が対象となります。

文字通り脛骨という膝の下の骨に切れ目を入れO脚を矯正します。そうすることにより、体重は傷んでいない外側の関節面にかかるようになり、痛みが改善します。骨が落ち着くのには時間がかかりますが、自分の骨と靱帯ですので高い活動性にもむきます。

当院では手術の傷跡をできるだけきれいにする方法にも取り組んでおり、できるだけ表皮は縫合せずに吸収される糸で縫合するように心がけております。

関節鏡視下手術

関節鏡(内視鏡)での手術もあります。この手術法では切開は小さく入院期間も短く済みます。

しかし、多くの場合、O脚の変化を伴っており、また、関節軟骨への処置も困難であるため、主に、関節内の半月板という軟骨や遊離した軟骨片がかみこむことでの痛みのみである方などが対象になります。

2)変形性股関節症

股関節の軟骨が減少することにより発生します。
多くは骨盤側の関節の形成が悪いために発生します。こちらも、鎮痛剤の使用や杖の使用といった治療を行っても痛みが強い場合に手術を行います。

人工股関節置換術

傷んでいる軟骨を切除し金属とポリエチレンでできた人工関節に置換します。

手術後は早期のリハビリテーションを行い、入院期間は1~2カ月です。
人工関節の設置には骨セメント(骨の補填剤)を用いる方法と用いない方法があります。どちらも長所と短所がありそれらを考慮に入れ当院では骨盤側は骨セメントなし、大腿骨側を骨セメントありで行っております。

また、股関節への侵入法にもいくつか種類があり、当院では合併症である脱臼の可能性を低下させかつ確実な設置のできる方法を用いております。

また、問題となる出血に対しては手術前に自分の血液を貯めておく、自己血貯血や、手術中~術後には傷口からの出血を回収し洗浄、輸血する方法を用いて極力他人の血液を用いない方法で、術後肝炎などの合併症を避けるように配慮しています。

当院では手術の傷跡をできるだけきれいにする方法にも取り組んでおり、できるだけ表皮は縫合せずに吸収される糸で縫合するように心がけております。

3)腰椎椎間板ヘルニア

内視鏡下椎間板摘出術

本手術法は2005年より当院に導入されており県立医大の医師の協力のもとに行っております。
内視鏡下手術であり、手術創も2cmほどです。手術創も小さいため手術部の局所の疼痛も従来法に比べ著しく軽く、リハビリテーションも早期より開始し、手術翌日(時には、ベッド上安静が必要な場合もあります)より起立歩行も可能でありトイレの使用も可能となります。

コルセットの装着は2~3ヶ月を必要としますが、自宅療養を希望する症例では、術後10日目以降に退院可能です。
事務職などの就業であれば術後1ヶ月位で可能でありますが、重労働の場合はコルセットのとれる3ヶ月以降に許可するようにしています。

但し、「ヘルニア摘出術」という概念では従来法と同様であり、術後直ちに足の痛み、知覚障害、筋力低下、腰痛が寛解するという訳ではなく、リハビリにより徐々に改善されていくのは当然で、この点でも術後のリハビリは重要であります。

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